SOILーSHOP生物教材製作所 / 自習室

高校生物の予習&復習&自習

【29】体細胞分裂と減数分裂

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染色体の複製(間期/S期)

体細胞分裂では、間期(のS期)に複製された染色体が、1本ずつ赤道面に並ぶ。両極から伸びてきた紡錘糸が染色体(の動原体)に付着すると、染色体はそれぞれ縦に引き裂かれ(縦裂)、両極に移動していく。

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体細胞分裂

 減数分裂では、第1分裂、第2分裂と、2回の分裂が連続して進む。染色体の複製(DNA合成)は第1分裂前の間期(のS期)に行われるだけで、第1分裂後は染色体の複製(DNA合成)を行わないまま第2分裂に進む。

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減数分裂

間期に複製された染色体は、第1分裂で相同染色体どうしが対合した“ニ価染色体”となり赤道面に並ぶ。両極から伸びてきた紡錘糸が二価染色体(の動原体)に付着すると、二価染色体はそれぞれ縦に引き裂かれ(縦裂)、両極に移動していく。

続く第2分裂で、さらに染色体が縦裂することで、染色体数もDNA量も半減する。

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二価染色体

【補足】

  • 核相(細胞の核1個あたりの染色体数やゲノム数。ヒトの体細胞は、ふつう23本×2セットの染色体=ゲノム2セットを持っていて、核相は”2n=46“や”複相“と表現する。一方、ヒトの卵細胞や精細胞は、体細胞の半分にあたる23本×1セットの染色体=ゲノム1セットしか持たず、核相は”n=23“や”単相“と表現する。
  • 有糸分裂(赤道面に並んだ染色体を“紡錘糸“が両極へ引き裂くことで、母細胞のDNAを娘細胞へ分配する細胞分裂の方法。
  • コルヒチン(タンパク質“チューブリン”に結合し、チューブリンが重合して微小管を形成することを阻害する。紡錘糸の形成を妨げるため、有糸分裂を阻害する。“コルヒチン処理”により“倍数体”を作ることができる。)
  • 相同染色体(同形同大の染色体。ヒトの体細胞には、卵細胞から受け継いだ染色体23本と、それらに相同な精細胞から受け継いだ染色体23本、合わせて23対の相同染色体、合計46本の染色体が存在する。
  • ニ価染色体(DNA複製を完了した後の相同染色体どうしが、さらに対合した染色体。通常の染色体に対して、4倍のDNA量をもつ。減数分裂の第1分裂の前期〜中期見られる。)

【参考資料】

  • 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
  • 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
  • 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
  • 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
  • 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂