【62】ミオグラフ
神経から筋肉に興奮が伝達されると、10mS(ミリ秒)程の“潜伏期”の後、50〜100mS(ミリ秒)程かけて筋肉が収縮し、さらに(荷重の大きさによるものの)50〜100mS(ミリ秒)程かけて弛緩する。
“ミオグラフ”では記録用の円筒が高速で回転するので、潜伏期→収縮期→弛緩期と、あわせて100ミリ秒(0.1秒)ほどの変化を、なだらかな曲線として記録できる。
“潜伏期”の間に、筋細胞(筋繊維)の膜電位が変化し→筋小胞体からカルシウムイオンが放出され→カルシウムイオンとトロポニンが結合し→ミオシン頭部とアクチンフィラメントが結合する。
【補足】
- 神経筋標本(神経と筋肉がつながった状態の標本。)
- ミオグラフ(筋収縮曲線を円筒の表面に記録する装置。円筒の回転速度は速い。)
- 潜伏期(筋肉が刺激を受けてから収縮するまでの時間。骨格筋で約10ミリ秒。)
- 収縮期(筋肉が収縮しはじめてから、完全に収縮しきるまでの時間。骨格筋で約50ミリ秒。)
- 弛緩期(筋肉が完全に収縮してから、元の長さに戻るまでの時間。)
【参考資料】
- 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
- 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
- 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
- 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店
- 大森徹(2014).『大学入試の得点源 生物[要点]』.文英堂