SOILーSHOP生物教材製作所 / 自習室

高校生物の予習&復習&自習

『生物基礎』

【103】半保存的複製

メセルソン&スタール DNAが複製される際に、二重鎖が一本鎖2本に解離し、それぞれを鋳型鎖として相補的な新生鎖が新たに複製されるしくみを〈半保存的複製〉という。 DNAの半保存的複製は、二重らせん構造を発表したワトソン&クリック(1953年)によって…

【102】ミクロメーター

光学顕微鏡で試料(タマネギの表皮細胞とか、ゾウリムシとか、オオカナダモの葉緑体とか・・・)の大きさを測る際には、接眼ミクロメーターの目盛りを使う。ただし、接眼ミクロメーターは接眼レンズの内部にセットされているため、顕微鏡のレボルバーを回し…

【100】脳の進化

ヒトの脳 脳の進化 脊椎動物(脊索動物)の神経系は、神経管が枝分かれしてできる。神経管の前端が膨らんで”脳”になり、さらに”脳”が複雑に折りたたまれて、大脳、中脳、小脳、間脳、延髄に分化する。 動物の系統&脳 動物の系統ごとに、生活スタイルに応じ…

【94】染色体〜DNA

染色体〜DNA 染色体〜DNA 染色体の複製(DNAの合成) ゲノム 【補足】 染色体(真核生物の核にあり、酢酸オルセインや酢酸カーミンなどの染色液で染色される構造体。普段は糸状で、核内に分散しているが、分裂期には棒状に凝集する。分裂期の“X形”の染色体…

【93】カサノリの接木

カサノリは、高さ5cm程の単細胞性の緑藻類で、”かさ”を切り落としても再生する能力がある。 カサノリの再生 カサノリ(単細胞性の緑藻類)は、仮根の部分に核があり、核内でDNAから転写されたmRNAは、細胞質中を原形質流動によって移動していく。そのため、…

ブログ移転のお知らせ

〈SOIL-SHOP生物教材製作所/自習室〉は、高校生物を学ぶ全ての方を対象に、「生物」「生物基礎」の予習&復習&自習のための板書&動画を紹介するブログです。 新型コロナウイルス感染症の影響による2020年3月からの全国一斉臨時休校、その後の自宅学習やオ…

【89】ターンオーバー

多細胞生物の個体を構成する細胞や、細胞を構成する有機物は、常に分解されながら合成されている。新しい細胞や有機物が、古い細胞や有機物と入れ替りながら、”同じ個体”や”同じ細胞”として生きている。 上皮幹細胞 皮膚の最も外側の角質層は、死細胞が積み…

【88】小腸上皮細胞

小腸の蠕動&グルコース吸収 小腸の構造 小腸上皮細胞 小腸上皮細胞&グルコース吸収 【補足】 小腸(胃と大腸の間にあたる消化管。内壁には多数の突起(絨毛)がある。グルコースやアミノ酸など様々な栄養素を血液中に吸収する。) 絨毛(小腸の粘膜側にあ…

【82】左心室の容積と内圧変化

心臓の拍動 ヒトの心臓は、左右の心室が連動して収縮することで、血液を肺(肺循環)と全身(体循環)へ送り出す。 体循環&肺循環 心臓の右半分(右心房&右心室)は、体循環から戻ってくる静脈血を肺循環に送り出している。 心臓の左半分(左心房&左心室…

【81】細胞周期とDNA合成

細胞周期 細胞周期(G1期・S期・G2期・M期)の中でも、M期(分裂期)の細胞だけは、染色体が凝集していることから、顕微鏡観察で見分けることができる。 細胞周期の長さ(細胞数が2倍に増える時間)が分かっていれば、顕微鏡観察した細胞数の比率から、M期…

【78】酵素反応と基質濃度

反応時間と生成物量の関係 酵素の濃度[E]を変えずに、基質濃度[S]だけを変えると、“化学平衡に達するまでの時間”と“最終的な生成物量”が変化する。 全ての酵素が酵素-基質複合体となる程度まで十分に基質濃度[S]が高ければ、基質濃度[S]を多少変えて…

【77】酵素反応と酵素濃度

酵素反応と酵素濃度[E] 酵素反応と基質濃度[S] 基質濃度を変えずに、酵素の濃度だけを変えると、生成物の量は変わらずに、反応速度だけが変化する。 酵素濃度[E]×1 酵素濃度[E]×2 酵素濃度[E]×1/2 【補足】 代謝(生体内の化学反応。例えば”光合成…

【76】酵素反応と化学平衡

酵素反応の時間と生成物量の関係 酵素反応が進むと、時間に伴って生成物量[濃度]が上昇するけれども、徐々に上昇は緩やかになり、やがて止まる。 生成物量/反応時間 一見すると反応が停止した様に見えるけれど、可逆的な酵素反応では、正反応(基質→生成…

【75】窒素同化

生物は、多数のアミノ酸が結合したタンパク質、DNAやRNAなどの核酸、光合成色素など、様々な有機窒素化合物を必要としている。 窒素同化に関わる物質 植物は、土壌中の“アンモニウムイオン”や“硝酸イオン”を取り込み、窒素同化によって、様々な有機窒素化合…

【73】生物濃縮

生物の体内で分解されにくく、体外へも排出されにくい物質は、生物の体内に蓄積しやすい。 そのような物質が、食物連鎖を経て、高次の消費者になるほど体内に高濃度で蓄積する現象を“生物濃縮”という。 生物濃縮 例えば、フグ毒の“テトロドトキシン”は、もと…

【72】淡水湖の季節変化

淡水湖の表層では、春と秋に生じる対流が、深層に蓄積した栄養塩類を表層に供給することで、藻類が大発生する。 淡水湖の季節変化 淡水湖の季節変化 〈冬〉深層(4℃)に対して、表層の水温が低いので、対流が起こらない。深層から表層に栄養塩類が供給されず…

【38】植生の遷移

裸地→草原→低木林→陽樹林→陰樹林 溶岩台地のような土壌も種も根もない土地でも、風雨にさらされて風化が進み、鳥や虫に運ばれてきた種子や胞子が発芽して、植物や菌類が根付くようになる。 生き物が暮らすようになれば、枯葉や遺骸や排泄物などが徐々に分解…

【36】染色体の乗換え&遺伝子の組換え

ヒトゲノム ヒトの体細胞は、1組23本(23種類)の染色体(ゲノム)を両親から1組ずつ、合わせて2組46本持っている。体細胞が2組のゲノムを持つ状態(複相)になるには、減数分裂で染色体数が半減し、1組のゲノムを持つ状態(単相)の配偶子(卵細胞や精細胞…

【35】硬葉樹林と雨緑樹林

砂漠(サハラ砂漠とピラミッドとラクダ?)、サバンナ(灌木とライオン家族とシマウマの群れ?)、ステップ(大草原と遊牧民?)、熱帯多雨林(アマゾン河とジャングル?)・・・など、世界のバイオーム(生物群系)の中でも、硬葉樹林(地中海性気候)と雨…

【34】インスリン&グルカゴン

ヒトの血糖値は、空腹時で約0.1%ほどに保たれている。“血糖”は血液中のグルコース(ブドウ糖)のこと。グルコースは“呼吸”の基質であり、細胞がエネルギーを獲得し続ける(ATPを合成&分解し続ける)には、常に一定量が血液中に流れていなければならない。 …

【33】間脳視床下部と脳下垂体

『視床下部』は 『間脳』の一部(間脳の視床下部)だけれど、『間脳』から垂れ下がった『脳下垂体』は『間脳』とは別の器官である。 『脳下垂体』からは、多種多様なホルモンが血液中に分泌(内分泌系)されている。 中枢神経系 ヒトの『脳下垂体』は大きく…

【29】体細胞分裂と減数分裂

染色体の複製(間期/S期) 体細胞分裂では、間期(のS期)に複製された染色体が、1本ずつ赤道面に並ぶ。両極から伸びてきた紡錘糸が染色体(の動原体)に付着すると、染色体はそれぞれ縦に引き裂かれ(縦裂)、両極に移動していく。 体細胞分裂 減数分裂で…

【27】酸素解離曲線

赤血球の中のヘモグロビンは、酸素を結合したり解離したりすることで、肺から全身の組織へ酸素を運んでいる。 血液循環 ヘモグロビン(Hb)の“酸素との結合しやすさ”は、周囲の酸素濃度や二酸化炭素濃度、温度、pHなど様々な条件から影響を受けている。 酸素…

【25】体液性免疫

獲得免疫の“はじまり” T細胞は、それぞれ担当する“抗原”が決まっている。感染部位からリンパ節に向かった樹状細胞は、自身が提示している抗原を担当するT細胞を、多くのT細胞の中から探し出さなければならない。樹状細胞が“運命の”T細胞に抗原提示できれば、…

【24】遺伝情報の発現

“DNA”を『生命の設計図』として合成された様々な“タンパク質”の種類や組合せよって、実際の生物の形態や性質(形質)が決まる。DNAの塩基配列がmRNAに”転写“され、mRNAの塩基配列がタンパク質のアミノ酸配列に”翻訳“される過程を”遺伝情報の発現“と呼ぶ。 遺…

【22】原核生物のDNA複製

真核生物の直鎖状DNAが複製されるときには、“末端”があるために困った“問題”がおこる。 ラギング鎖は5’末端の“端”までは合成できない。 DNAポリメラーゼは、“すでにある”ヌクレオチド鎖(プライマー)の3‘末端にしか、新たなヌクレオチドを付加できない。そ…

【21】真核生物のDNA複製

DNAをつくる“ヌクレオチド鎖”には方向がある。2本の“ヌクレオチド鎖”は、互いに逆向きに組み合わさって“二重螺旋構造”をつくっている。 DNAの構造 DNAは、間期のS期(DNA合成期)に”こっそり“と複製されている。間期には染色体(DNA&タンパク質)が凝集し…

【20】真核生物の転写&翻訳

真核生物の染色体(DNA&タンパク質)は“核膜”で包まれている。遺伝情報をDNAの塩基配列からmRNAの塩基配列に“転写”する核内と、 RNAの塩基配列からタンパク質のアミノ酸配列に“翻訳”する核外とは、“核膜”によって厳密に仕切られている。 真核生物の転写&翻…

【19】抗原提示とMHC

細胞は、MHC(主要組織適合遺伝子複合体分子)を使って、“自分がどんな成分を持っているか?“を免疫細胞に知らせている。 例えば、樹状細胞は食作用で取り込んだ異物の成分を、MHCクラスⅡ分子を使って抗原提示し、リンパ節で待つT細胞に知らせている。 MHCク…

【17】光合成〜葉緑体

葉緑体の中には、“チラコイド”と呼ばれる偏平な袋が積み重なった構造がある。 葉緑体 チラコイド膜の外側には、クロロフィルaを取り囲むように様々な光合成色素(クロロフィルb、カロテノイド、キサントフィル…)が張り付いていて、それらの“アンテナ色素”が…