SOILーSHOP生物教材製作所 / 自習室

高校生物の予習&復習&自習

神経系

【100】脳の進化

ヒトの脳 脳の進化 脊椎動物(脊索動物)の神経系は、神経管が枝分かれしてできる。神経管の前端が膨らんで”脳”になり、さらに”脳”が複雑に折りたたまれて、大脳、中脳、小脳、間脳、延髄に分化する。 動物の系統&脳 動物の系統ごとに、生活スタイルに応じ…

【99】膝蓋腱反射

膝蓋腱反射 床に足が付かないように腰掛け、膝関節が自由に動く状態で膝の下をたたくと、無意識に膝から下が跳ね上がる。これは、①膝下をたたかれることで、②膝関節を伸ばす伸筋が伸ばされたことを筋紡錘(感覚器)が刺激として受容し、③感覚神経を介して脊…

【95】聴覚&定位

夜行性の鳥であるメンフクロウは、特有の神経回路を使って左右の耳に音が到達するわずかな時間差を検出し、餌となるネズミの位置を特定している。 聴覚&定位 音源の方向に応じて、メンフクロウが左右の耳で音を受容するまでの時間や、左右の耳(の聴細胞)…

【82】左心室の容積と内圧変化

心臓の拍動 ヒトの心臓は、左右の心室が連動して収縮することで、血液を肺(肺循環)と全身(体循環)へ送り出す。 体循環&肺循環 心臓の右半分(右心房&右心室)は、体循環から戻ってくる静脈血を肺循環に送り出している。 心臓の左半分(左心房&左心室…

【73】生物濃縮

生物の体内で分解されにくく、体外へも排出されにくい物質は、生物の体内に蓄積しやすい。 そのような物質が、食物連鎖を経て、高次の消費者になるほど体内に高濃度で蓄積する現象を“生物濃縮”という。 生物濃縮 例えば、フグ毒の“テトロドトキシン”は、もと…

【66】アメフラシ&鋭敏化

アメフラシ(軟体動物/腹足綱/ウミウシ類)の“水管“を刺激すると”鰓“を引っ込める。(反射) さらに、”水管”を刺激し続けると、やがて“鰓”を引っ込めなくなる。(慣れ) ところが、“水管”を刺激すると同時に、“尾”も刺激すると、“水管”へ弱い刺激を与えるだ…

【65】アメフラシ&慣れ

アメフラシ(軟体動物/腹足鋼/ウミウシ類)の“水管“を刺激すると”鰓“を引っ込める。 アメフラシの“鰓引っ込め反射” ”鰓引っ込め反射”は、"水管”からの感覚ニューロンと”鰓”に向かう運動ニューロンの間のシナプスを、興奮が”伝達”することで起こる。 シナプス…

【63】キモグラフ

ミオグラフ&キモグラフ “キモグラフ”では記録用の円筒が低速で回転するので、連続して刺激を与えながら、“刺激の頻度”と筋収縮の関係を記録できる。 単収縮 1秒間に1回程度の刺激を与えると、約100ミリ秒(0.1秒)間ほどの短い筋収縮(単収縮)が起こる。 …

【62】ミオグラフ

ミオグラフ&神経筋標本 神経から筋肉に興奮が伝達されると、10mS(ミリ秒)程の“潜伏期”の後、50〜100mS(ミリ秒)程かけて筋肉が収縮し、さらに(荷重の大きさによるものの)50〜100mS(ミリ秒)程かけて弛緩する。 “ミオグラフ”では記録用の円筒が高速で…

【61】興奮収縮連関

筋原繊維の構造 興奮収縮連関 筋収縮に関わる物質 ①ミオシン頭部がアクチンに結合できない...。 ②カルシウムイオンがトロポニンに結合すると…。 ミオシン頭部がアクチンフィラメントに結合する。 ④ミオシンがアクチンを手繰り寄せる。 ⑤ミオシン頭部にATPが…

【60】滑り説

筋肉>筋繊維(筋細胞)>筋原繊維 筋繊維(筋細胞)の内部にある”筋原繊維“が収縮すると、筋繊維(筋細胞)が収縮し、筋繊維(筋細胞)の束である筋肉全体も収縮する。 サルコメア(筋節) 筋原繊維は、太い繊維(ミオシンフィラメント)と細い繊維(アクチ…

【59】視細胞と視物質

15秒ごとに“赤リンゴ”→“全面白”→“全面黒”と画像が切り替わります。 まず、“赤リンゴ”を15秒間見つめてください。 15秒後、“全面白”に切り替わると、どのように見えるでしょうか? 実験1(赤リンゴ) 実験成功のコツは、“視線を固定すること”と“瞬きを我慢す…

【58】前庭&半規管

耳(外耳&中耳&内耳) ”耳”は、音(空気の振動)を伝える”外耳”、骨の振動を伝える”中耳”、リンパ液の波を伝える”内耳”に分けられる。 内耳(前庭&半規管&うずまき管) 内耳(前庭&半規管&うずまき管)を満たすリンパ液の動きに伴って“感覚毛”が動くこ…

【57】遠近調節

カメラや、イカやタコの眼球では、レンズ(水晶体)の屈折率を変えずに、レンズと撮像素子やフィルム、網膜などとの距離(眼球の奥行き)を変えることで、遠近調節を行なっている。 レンズと焦点距離(イメージ) 一方、ヒトの眼球は直径24mm程で、遠くを見…

【56】中枢パターン発生器

屈筋と伸筋 屈筋と伸筋が、交互に“収縮&弛緩”を繰り返すことで、歩いたり走ったりすることができる。 中枢パターン発生器 同じ周期で興奮を繰り返す信号が、“中枢パターン発生器”を通過すると、交互に興奮を繰り返す信号に変換される。 中枢パターン発生器…

【55】全か無かの法則

ニューロンに生じる活動電位の大きさ(ナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度差)は毎回ほぼ一定で、活動電位は”発生する”か”発生しない”かの二通りしかない。 全か無かの法則 外部(他のニューロンや感覚細胞など)から加えられる刺激が一定の大きさ(閾…

【54】EPSP&IPSP

中枢神経の興奮性シナプスでは、①"グルタミン酸(興奮性の神経伝達物質)"などの神経伝達物質がシナプス後細胞のリガンド依存性ナトリウムチャネルに結合し、②リガンド依存性ナトリウムイオンチャネルが開いて、④シナプス後細胞にナトリウムイオン(陽イオン…

【53】興奮の伝達

興奮の伝達 ニューロンの軸索を興奮が“伝導”し、ニューロンとニューロンの間を興奮が“伝達”する。 シナプス シナプス小胞は、軸索内の微小管とモータータンパク質によって、神経終末まで運ばれている。 興奮が神経終末まで“伝導”してくると、神経終末の電位…

【52】跳躍伝導

有髄神経 脊椎動物のニューロン(神経細胞)には様々な種類の“グリア細胞”が付着していて、血管からの栄養分を供給したり、興奮の伝導を補助したりしている。 オリゴデンドロサイト (中枢神経のグリア細胞) シュワン細胞 (体性神経のグリア細胞) グリア…

【51】膜電位とイオン

普段、細胞外に対する細胞内の電圧(膜電位)は−70〜−60mVに保たれている。 ニューロン(神経細胞)の細胞膜が活動電流などの刺激を受けると、刺激された部分の膜電位が瞬間的に逆転する。 膜電位の記録 細胞膜の内外で電位差が生じること(分極)の原因は、…

【50】興奮の伝導

神経は、複数のニューロン(神経細胞)の軸索(神経繊維)が集まってできている。 ニューロンの構造 ニューロンの膜電位(細胞膜内外の電位差)が変化した状態(興奮)がニューロンの間を伝わることで、神経は情報を処理する。 興奮の伝導と伝達 ニューロン…

【45】背腹軸の決定

イモリの未受精卵には、卵黄の他、母親の細胞が合成した様々なmRNAやタンパク質(母性効果因子)が蓄えられている。 細胞質決定因子 ①卵に精子が進入すると、表層が回転し、精子進入点の反対側に灰色三日月(環)が現れる。 この時、微小管とモータータンパ…

【43】眼の形成

“眼”の「網膜&視神経」と「水晶体(レンズ)」と「角膜」は、“誘導の連鎖”によって段階的に造られる。 眼の形成 ①「原口背唇部」(背側の中胚葉)が陥入すると、「原口背唇部」自体は「脊索」に分化する一方で、背側の外胚葉から「神経管」を誘導する。 ②「…

【42】カエルの発生

カエルやイモリ(両生類)は、ヒト(哺乳類)と同じ脊椎動物ということもあり、発生の仕組みがよく研究されてきた。 カエルの発生 哺乳類は体内受精、鳥類や爬虫類は硬い卵殻の中で発生が進むため、発生の様子を観察し難い。 一方、両生類は体外受精で、卵外…

【33】間脳視床下部と脳下垂体

『視床下部』は 『間脳』の一部(間脳の視床下部)だけれど、『間脳』から垂れ下がった『脳下垂体』は『間脳』とは別の器官である。 『脳下垂体』からは、多種多様なホルモンが血液中に分泌(内分泌系)されている。 中枢神経系 ヒトの『脳下垂体』は大きく…