SOILーSHOP生物教材製作所 / 自習室

高校生物の予習&復習&自習

遺伝情報の分配

【103】半保存的複製

メセルソン&スタール DNAが複製される際に、二重鎖が一本鎖2本に解離し、それぞれを鋳型鎖として相補的な新生鎖が新たに複製されるしくみを〈半保存的複製〉という。 DNAの半保存的複製は、二重らせん構造を発表したワトソン&クリック(1953年)によって…

【97】DNA複製装置

DNAの複製は、“複製起点(レプリケーター)”に結合した2つの“DNAヘリカーゼ”が、それぞれ複製起点の両方向にDNAの二重らせんを“ほどき”ながら進んでいく。 複製起点 二重らせんが2本のヌクレオチド鎖にほどかれると、それぞれを鋳型鎖として、DNAポリメラ…

【94】染色体〜DNA

染色体〜DNA 染色体〜DNA 染色体の複製(DNAの合成) ゲノム 【補足】 染色体(真核生物の核にあり、酢酸オルセインや酢酸カーミンなどの染色液で染色される構造体。普段は糸状で、核内に分散しているが、分裂期には棒状に凝集する。分裂期の“X形”の染色体…

【89】ターンオーバー

多細胞生物の個体を構成する細胞や、細胞を構成する有機物は、常に分解されながら合成されている。新しい細胞や有機物が、古い細胞や有機物と入れ替りながら、”同じ個体”や”同じ細胞”として生きている。 上皮幹細胞 皮膚の最も外側の角質層は、死細胞が積み…

【87】コムギの進化

種子植物は、減数分裂で配偶子(卵細胞&精細胞)を作り、配偶子が受精して受精卵ができる。野生コムギ(2n=14)では、減数分裂で配偶子(n=7)を作り、配偶子が受精して受精卵(2n=14)ができる。 コムギの核相交代 二倍体の個体(2n)どうしで交雑した場合…

【86】遺伝子頻度

ハーディ・ワインベルグの法則 表現型の分離比 vs 遺伝子頻度 遺伝子頻度の計算 【補足】 表現型(個体がもつ形態や性質などの特徴。) 遺伝子型(それぞれの個体の表現型を決める対立遺伝子の組合せ。) 遺伝子頻度(ある遺伝子が、集団内の全ての対立遺伝…

【84】紡錘体&モータータンパク質

ダイニン&キネシン 細胞分裂&紡錘体 ダイニン&微小管 キネシン&微小管 【補足】 微小管(細胞骨格の中で“最も太い”けれど“微小”管。タンパク質“チューブリン”が螺旋状に重合した繊維。) ダイニン(微小管の表面を、+端からー端に向かって歩くモーター…

【83】DNA複製フォーク

DNAポリメラーゼは、“既にあるヌクレオチド鎖(プライマー)”の3’末端に“新たなヌクレオチド”を付加することで、新生鎖を合成していく。 複製フォーク 複製フォーク 体細胞分裂 実際の細胞内では、リーディング鎖を合成するDNAポリメラーゼと、ラギング鎖を…

【81】細胞周期とDNA合成

細胞周期 細胞周期(G1期・S期・G2期・M期)の中でも、M期(分裂期)の細胞だけは、染色体が凝集していることから、顕微鏡観察で見分けることができる。 細胞周期の長さ(細胞数が2倍に増える時間)が分かっていれば、顕微鏡観察した細胞数の比率から、M期…

【49】ABCモデル

頂端分裂組織と伸長成長 植物は、“芽”の中心にある未分化な細胞(茎頂分裂組織)が盛んに分裂を繰り返すことで、より高く(長く)成長する。 花の構造とABCモデル 分裂組織の各部分が、“葉”、“がく”、“花弁”、“雄しべ”、“雌しべ”…何に分化するかは、各部で発…

【48】被子植物の重複受精

花の構造 “花”では、雄しべの先端の“葯”には“花粉”が、雌しべの根元の“胚珠”には“胚のう”が、それぞれ作られる。 被子植物の配偶子形成 雌しべの柱頭に花粉が付着(受粉)すると、花粉から花粉管が伸び始める。花粉の内部では、雄原細胞が分裂して2つの“精…

【47】被子植物の配偶子形成

“花”では、雄しべの先端にある“葯”で“花粉”が、雌しべの根元にある“胚珠”で“胚のう”が、それぞれ作られている。 被子植物の“花” 多くの動物では、減数分裂で作られた単相(n)の”卵細胞(雌性配偶子)”や”精細胞(雄性配偶子)”が、受精(接合)をして複相(…

【39】動物の配偶子形成

有性生殖では、両親の配偶子が接合することで、両親の遺伝子を受け継いだ新しい個体が生まれる。配偶子は減数分裂により、両親の体細胞のDNAの半分を受け継いでいる。 動物の配偶子形成 生物のよって、接合する2つの配偶子の”大きさ”や”運動性”の違いの有無…

【37】サンガー法

サンガー法(ジ・デオキシ法)を使うと、未知のDNAの塩基配列を明らかにできる。 サンガー法(ジ・デオキシ法)の原理 DNA複製の際、DNAポリメラーゼ(DNA合成酵素)は、鋳型鎖と相補的なヌクレオチド鎖(新生鎖)の3‘末端に、新たなヌクレオチドを”脱水縮合…

【36】染色体の乗換え&遺伝子の組換え

ヒトゲノム ヒトの体細胞は、1組23本(23種類)の染色体(ゲノム)を両親から1組ずつ、合わせて2組46本持っている。体細胞が2組のゲノムを持つ状態(複相)になるには、減数分裂で染色体数が半減し、1組のゲノムを持つ状態(単相)の配偶子(卵細胞や精細胞…

【29】体細胞分裂と減数分裂

染色体の複製(間期/S期) 体細胞分裂では、間期(のS期)に複製された染色体が、1本ずつ赤道面に並ぶ。両極から伸びてきた紡錘糸が染色体(の動原体)に付着すると、染色体はそれぞれ縦に引き裂かれ(縦裂)、両極に移動していく。 体細胞分裂 減数分裂で…

【28】DNA損傷と除去修復

DNA複製の際、DNAポリメラーゼが間違った塩基(ヌクレオチド)を付加してしまう誤り(ミスマッチ)や、紫外線や放射線、発癌性物質などの化学物質によって、塩基(ヌクレオチド)が置換や欠失してしまうことがある。 DNAの除去修復 損傷したDNAの修復方法は…

【26】DNAの複製

DNAの複製は、“複製起点(レプリケーター)”に結合した2つの“DNAヘリカーゼ”が、それぞれ複製起点の両方向にDNAの二重らせんを“ほどき”ながら進んでいく。 DNAの複製 二重らせんが2本のヌクレオチド鎖にほどかれると、それぞれを鋳型鎖として、DNAポリメラ…

【23】PCR

PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を考案したキャリー・マリスは、ドライブ中にこの画期的なDNA増幅方法のアイデアを思いついたらしい。 キャリー・マリス(1983年) DNAの増幅したい領域の両端の塩基配列が分かっていれば、二重鎖それぞれの5‘末端側に相当する短…

【22】原核生物のDNA複製

真核生物の直鎖状DNAが複製されるときには、“末端”があるために困った“問題”がおこる。 ラギング鎖は5’末端の“端”までは合成できない。 DNAポリメラーゼは、“すでにある”ヌクレオチド鎖(プライマー)の3‘末端にしか、新たなヌクレオチドを付加できない。そ…

【21】真核生物のDNA複製

DNAをつくる“ヌクレオチド鎖”には方向がある。2本の“ヌクレオチド鎖”は、互いに逆向きに組み合わさって“二重螺旋構造”をつくっている。 DNAの構造 DNAは、間期のS期(DNA合成期)に”こっそり“と複製されている。間期には染色体(DNA&タンパク質)が凝集し…

【10】細胞分裂と微小管

細胞分裂において、分裂前の母細胞の染色体は、分裂後の2つの娘細胞に“同じ数ずつ”分配されなければならない。前期に凝集した染色体が“X字型”をしているのも、中期に染色体が赤道面に並ぶのも、“均等に分ける”ためには都合が良い。 紡錘糸と微小管 前期か…

【6】細胞周期の計算

細胞周期の長さ(細胞数が倍増するのにかかる時間)が分かっていれば、顕微鏡で観察して各時期の細胞数を数えることで、細胞周期の各時期の長さを推測することができる。 体細胞分裂 細胞周期が同調せず、どの細胞もバラバラのタイミングで分裂していれば、…