細胞の構造
光学顕微鏡で試料(タマネギの表皮細胞とか、ゾウリムシとか、オオカナダモの葉緑体とか・・・)の大きさを測る際には、接眼ミクロメーターの目盛りを使う。ただし、接眼ミクロメーターは接眼レンズの内部にセットされているため、顕微鏡のレボルバーを回し…
孔辺細胞のフォトトロピン(光受容体)が青色光を受容すると、細胞内のK+濃度が上昇して細胞内の浸透圧が増加し、孔辺細胞が吸水して気孔が開く。一方、乾燥などでアブシシン酸(植物ホルモン)が増加すると、細胞内のK+濃度が低下して細胞内の浸透圧が減…
筋節(サルコメア)の構造 筋節(サルコメア)の長さは、アクチンフィラメント(細い繊維)とミオシンフィラメント(太い繊維)の位置関係で決まる。 張力の大きさ/筋節の長さ 筋節の長さと張力の関係 ① 最も弛緩した状態では、アクチンフィラメントとミオ…
染色体〜DNA 染色体〜DNA 染色体の複製(DNAの合成) ゲノム 【補足】 染色体(真核生物の核にあり、酢酸オルセインや酢酸カーミンなどの染色液で染色される構造体。普段は糸状で、核内に分散しているが、分裂期には棒状に凝集する。分裂期の“X形”の染色体…
カサノリは、高さ5cm程の単細胞性の緑藻類で、”かさ”を切り落としても再生する能力がある。 カサノリの再生 カサノリ(単細胞性の緑藻類)は、仮根の部分に核があり、核内でDNAから転写されたmRNAは、細胞質中を原形質流動によって移動していく。そのため、…
キネシン&微小管 モータータンパク質〈キネシン〉は、ATPを消費しながら、微小管の−(マイナス)端から+(プラス)端に向かって歩いていく。 モータータンパク質&細胞分裂 モータータンパク質&細胞分裂 真核生物の細胞分裂(有系分裂)では、両極から伸…
アドレナリンやインスリンなどのペプチドホルモンは、高分子のために細胞膜を通過できない。 そこで、ペプチドホルモンなどがリガンド(受容体に特異的に結合する物質)として細胞膜の受容体に結合すると、細胞内ではcAMP(サイクリックAMP)やカルシウムイ…
小腸の蠕動&グルコース吸収 小腸の構造 小腸上皮細胞 小腸上皮細胞&グルコース吸収 【補足】 小腸(胃と大腸の間にあたる消化管。内壁には多数の突起(絨毛)がある。グルコースやアミノ酸など様々な栄養素を血液中に吸収する。) 絨毛(小腸の粘膜側にあ…
ゴルジ体(層板エスカレーターモデル) ゴルジ体(チューブ移動モデル) 小胞体→ゴルジ体 2種類の小胞体 【補足】 リボソーム(mRNAの塩基配列をもとにアミノ酸を連結し、ポリペプチド鎖を合成する細胞小器官。rRNAとタンパク質の複合体。) 粗面小胞体(リ…
ダイニン&キネシン 細胞分裂&紡錘体 ダイニン&微小管 キネシン&微小管 【補足】 微小管(細胞骨格の中で“最も太い”けれど“微小”管。タンパク質“チューブリン”が螺旋状に重合した繊維。) ダイニン(微小管の表面を、+端からー端に向かって歩くモーター…
細胞周期 細胞周期(G1期・S期・G2期・M期)の中でも、M期(分裂期)の細胞だけは、染色体が凝集していることから、顕微鏡観察で見分けることができる。 細胞周期の長さ(細胞数が2倍に増える時間)が分かっていれば、顕微鏡観察した細胞数の比率から、M期…
伸長成長&肥大成長 植物ホルモンの”ジベレリン”や”ブラシノステロイド”、”エチレン”は、細胞膜のすぐ内側にある微小管(繊維状のタンパク質)の配置を決める。 微小管の配置が決まると、細胞壁を作るセルロース(繊維状の多糖類)の配置が決まる。 次いでオ…
細胞分裂&伸長成長 茎から根に移動してきた“オーキシン”は、根冠で折り返して皮層を遡り、根冠からやや上部の細胞の成長を促進する。 根端でのオーキシンの極性移動 根冠のコルメラ細胞では、重力に従ってアミロプラストが沈降すると、オーキシンを輸送する…
細胞分裂&伸長成長 植物ホルモン“オーキシン”は、茎の先端で合成され、やや下部の細胞の成長を促進する。 オーキシンの極性移動 オーキシンは、膜タンパク質“AUX”を通って細胞内に取り込まれ、膜タンパク質“PIN”を通って細胞外へ放出されるので、植物体の中…
アメフラシ(軟体動物/腹足綱/ウミウシ類)の“水管“を刺激すると”鰓“を引っ込める。(反射) さらに、”水管”を刺激し続けると、やがて“鰓”を引っ込めなくなる。(慣れ) ところが、“水管”を刺激すると同時に、“尾”も刺激すると、“水管”へ弱い刺激を与えるだ…
アメフラシ(軟体動物/腹足鋼/ウミウシ類)の“水管“を刺激すると”鰓“を引っ込める。 アメフラシの“鰓引っ込め反射” ”鰓引っ込め反射”は、"水管”からの感覚ニューロンと”鰓”に向かう運動ニューロンの間のシナプスを、興奮が”伝達”することで起こる。 シナプス…
筋原繊維の構造 興奮収縮連関 筋収縮に関わる物質 ①ミオシン頭部がアクチンに結合できない...。 ②カルシウムイオンがトロポニンに結合すると…。 ミオシン頭部がアクチンフィラメントに結合する。 ④ミオシンがアクチンを手繰り寄せる。 ⑤ミオシン頭部にATPが…
筋肉>筋繊維(筋細胞)>筋原繊維 筋繊維(筋細胞)の内部にある”筋原繊維“が収縮すると、筋繊維(筋細胞)が収縮し、筋繊維(筋細胞)の束である筋肉全体も収縮する。 サルコメア(筋節) 筋原繊維は、太い繊維(ミオシンフィラメント)と細い繊維(アクチ…
中枢神経の興奮性シナプスでは、①"グルタミン酸(興奮性の神経伝達物質)"などの神経伝達物質がシナプス後細胞のリガンド依存性ナトリウムチャネルに結合し、②リガンド依存性ナトリウムイオンチャネルが開いて、④シナプス後細胞にナトリウムイオン(陽イオン…
興奮の伝達 ニューロンの軸索を興奮が“伝導”し、ニューロンとニューロンの間を興奮が“伝達”する。 シナプス シナプス小胞は、軸索内の微小管とモータータンパク質によって、神経終末まで運ばれている。 興奮が神経終末まで“伝導”してくると、神経終末の電位…
有髄神経 脊椎動物のニューロン(神経細胞)には様々な種類の“グリア細胞”が付着していて、血管からの栄養分を供給したり、興奮の伝導を補助したりしている。 オリゴデンドロサイト (中枢神経のグリア細胞) シュワン細胞 (体性神経のグリア細胞) グリア…
普段、細胞外に対する細胞内の電圧(膜電位)は−70〜−60mVに保たれている。 ニューロン(神経細胞)の細胞膜が活動電流などの刺激を受けると、刺激された部分の膜電位が瞬間的に逆転する。 膜電位の記録 細胞膜の内外で電位差が生じること(分極)の原因は、…
神経は、複数のニューロン(神経細胞)の軸索(神経繊維)が集まってできている。 ニューロンの構造 ニューロンの膜電位(細胞膜内外の電位差)が変化した状態(興奮)がニューロンの間を伝わることで、神経は情報を処理する。 興奮の伝導と伝達 ニューロン…
花の構造 “花”では、雄しべの先端の“葯”には“花粉”が、雌しべの根元の“胚珠”には“胚のう”が、それぞれ作られる。 被子植物の配偶子形成 雌しべの柱頭に花粉が付着(受粉)すると、花粉から花粉管が伸び始める。花粉の内部では、雄原細胞が分裂して2つの“精…
“花”では、雄しべの先端にある“葯”で“花粉”が、雌しべの根元にある“胚珠”で“胚のう”が、それぞれ作られている。 被子植物の“花” 多くの動物では、減数分裂で作られた単相(n)の”卵細胞(雌性配偶子)”や”精細胞(雄性配偶子)”が、受精(接合)をして複相(…
心黄卵と表割 ショウジョウバエなど昆虫の卵は、中心部に卵黄が蓄積する「心黄卵」で、「表割」と呼ばれる卵割を行う。 表割では、受精直後に核分裂を繰り返して多核細胞(多核性胞胚)となった後、胚の表面で細胞質分裂が進んで胞胚(細胞性胞胚)となる。 …
カエルやイモリ(両生類)は、ヒト(哺乳類)と同じ脊椎動物ということもあり、発生の仕組みがよく研究されてきた。 カエルの発生 哺乳類は体内受精、鳥類や爬虫類は硬い卵殻の中で発生が進むため、発生の様子を観察し難い。 一方、両生類は体外受精で、卵外…
ウニの卵は、ヒトの卵と同じように卵黄が均等に分布する等黄卵で、卵割の進み方もヒトとよく似ている。 ウニの発生 受精卵を地球に見立てると、北極&南極が動物極&植物極、経線に沿った卵割を“経割”、緯線に沿っ卵割を“緯割”という。 経割&緯割 卵割の進み…
有性生殖においては、違う生物種の卵と精子が受精してはならない(種の識別)。 そして、一つの卵が複数の精子と受精することも許されない(多精拒否)。 先体反応&表層反応 ウニの場合、卵を取り囲むゼリー層(卵外被)が、同じ種類のウニの精子に対して“…
有性生殖では、両親の配偶子が接合することで、両親の遺伝子を受け継いだ新しい個体が生まれる。配偶子は減数分裂により、両親の体細胞のDNAの半分を受け継いでいる。 動物の配偶子形成 生物のよって、接合する2つの配偶子の”大きさ”や”運動性”の違いの有無…