SOILーSHOP生物教材製作所 / 自習室

高校生物の予習&復習&自習

【4】リボソーム〜小胞体〜ゴルジ体

 同じ細胞小器官でも、葉緑体やミトコンドリアは「真核細胞」の特徴だけれど、リボソームは「原核細胞」にも存在する。

 リボソーム(rRNAからなるダルマ状の細胞小器官)は、mRNA(塩基配列)からポリペプチド鎖(アミノ酸配列)への“翻訳”の場となっている。葉緑体やミトコンドリアが無い(光合成や、酸素を使った呼吸ができない)生物はいるけれど、リボソームが無ければタンパク質を合成できず、生物として成立しないのだ。

 真核細胞の細胞内には「リボソーム→小胞体→ゴルジ体」という”鉄板ルート”がある。リボソームで合成されたポリペプチド(タンパク質として機能する前のアミノ酸鎖)は、そのまま小胞体の内部に取込まれ(放出され?)、様々な加工(他のポリペプチドや糖鎖と合体したり、立体構造を矯正されたり・・・)をされながら、ゴルジ体へと運ばれる。

f:id:soilshop:20200502024651g:plain

リボソーム〜小胞体〜ゴルジ体

ゴルジ体に移動した物質はさらに加工&濃縮され、分泌顆粒が細胞膜と一体化することで細胞外に分泌される。(エキソサイトーシス)

f:id:soilshop:20200504154017j:plain
ゴルジ体は、分泌顆粒の他にも、細胞内に取り込んだ物質を消化(細胞内消)するための分解酵素も「リソソーム」に補給している。細胞内に取り込まれた異物は、細胞膜に由来する小胞(エンドソーム)に隔離され、やがて「リソソーム」と合体することで分解酵素を流し込まれて分解される。

f:id:soilshop:20200504000141g:image

 分泌顆粒による細胞外への分泌(エキソサイトーシス)や、食作用/飲作用による細胞内への取り込み(エンドサイトーシス)によって、細胞膜と小胞体の間では“膜”そのもの(リン脂質+膜タンパク質)も同時にやり取りされることになる。真核細胞は、小胞体、ゴルジ体、分泌顆粒、リソソームなどの”膜構造”をダイナミックに変化させながら、生きているのだ。

f:id:soilshop:20200504000308j:image

【補足】

  • 遺伝情報の発現(DNA→mRNA→タンパク質)
  • リボソーム(mRNAの塩基配列に基づいてポリペプチド鎖を合成する細胞小器官。)
  • リボソームが付着した“粗面小胞体”
  • リボソームが付着しない“滑面小胞体”
  • ゴルジ体(偏平な袋の内部では様々な物質が加工・濃縮されている。。)
  • リソソーム(様々な分解酵素を閉じ込めた小胞。)
  • エンドサイトーシス(膜で包んで細胞の“中へ“)
  • エキソサイトーシス(膜で包んで細胞の“外へ”)
  • 生体膜の構造(流動モザイクモデル)

 【参考資料】

  • 吉里勝利(2018).『改訂 高等学校 生物基礎』.第一学習社
  • 浅島 誠(2019).『改訂 生物基礎』.東京書籍
  • 吉里勝利(2018).『スクエア最新図説生物neo』.第一学習社
  • 浜島書店編集部(2018).『ニューステージ新生物図表』.浜島書店