SOILーSHOP生物教材製作所 / 自習室

高校生物の予習&復習&自習

2020-01-01から1年間の記事一覧

【12】能動輸送~ポンプ

細胞膜などの生体膜において、濃度勾配に逆らう(濃度の低い方から高い方への)物質の移動を「能動輸送」という。能動輸送は、膜内外の濃度差が拡大する現象なので、それぞれの物質だけが通過できる”仕掛け(ポンプ)”を用意した上で、エネルギー(ATP)が必…

【11】受動輸送〜チャネル&担体

“エンドサイトーシス”は細胞膜で包み込んでいるだけで、細胞膜を”通過“しているわけではない。素性の知れない物質を何でもかんでもプライベートな”細胞質基質“に取り込むわけにはいかないのだ。 一方で、細胞が生きていくためには、細胞膜で(ミトコンドリア…

【10】細胞分裂と微小管

細胞分裂において、分裂前の母細胞の染色体は、分裂後の2つの娘細胞に“同じ数ずつ”分配されなければならない。前期に凝集した染色体が“X字型”をしているのも、中期に染色体が赤道面に並ぶのも、“均等に分ける”ためには都合が良い。 紡錘糸と微小管 前期か…

【9】原核生物の転写&翻訳

原核生物の転写&翻訳 原核生物(細菌類)には核膜が無いため、DNAからRNAへの“転写”が行われる場所と、RNAからポリペプチド(タンパク質)への“翻訳”が行われる場所とが、仕切られていない。 転写はされても翻訳はされない塩基配列“イントロン”も無いから、…

【8】原形質分離と浸透圧

キュウリを塩で揉むと、萎びて味が濃くなる。 ナメクジに塩をかけると、小さくなる。 レタスを水に浸すと、シャキシャキになる。 赤血球を水に入れると、赤血球が破裂する。 キュウリ(植物細胞)を塩で揉む(高張液に浸す)と、萎びて(原形質分離がおきて…

【7】半透膜と浸透圧

コンロの火を止めれば、鍋の”お湯”は冷めるけれど、鍋の周りの”空気”が少し暖まり、やがて”お湯”と”空気”の温度が等しくなる。 ”温度”の違うものを”くっつけて”、”ほうって”おくと、やがて全体が同じ温度になる。 ”濃さ”の違うものでも同じことが起こる。例…

【6】細胞周期の計算

細胞周期の長さ(細胞数が倍増するのにかかる時間)が分かっていれば、顕微鏡で観察して各時期の細胞数を数えることで、細胞周期の各時期の長さを推測することができる。 体細胞分裂 細胞周期が同調せず、どの細胞もバラバラのタイミングで分裂していれば、…

【5】エンドサイトーシス&エキソサイトーシス

“endo”は“中”、“exo”は“外”、“cyto”は“細胞(細胞質) ”、”sis”は”過程”を意味している。 endocytosis & exocytosis 様々な生物用語の中でも「小胞体」や「微小管」は意味が想像できるけれど、カタカナ用語は覚えにくい。「モータータンパク質」や「マクロフ…

【4】リボソーム〜小胞体〜ゴルジ体

同じ細胞小器官でも、葉緑体やミトコンドリアは「真核細胞」の特徴だけれど、リボソームは「原核細胞」にも存在する。 リボソーム(rRNAからなるダルマ状の細胞小器官)は、mRNA(塩基配列)からポリペプチド鎖(アミノ酸配列)への“翻訳”の場となっている。…

【3】細胞内共生

原核生物から真核生物への進化について、以前の教科書には“細胞内共生説“と“膜進化説”が併記されていた。今では「細胞内共生」を支持する”証拠”がいくつもあり、”膜進化説“はすっかり廃れてしまった。 ミトコンドリアの起源 嫌気性細菌が好気性細菌を取り込…

【2】原形質流動とアクチンフィラメント

脊椎動物の骨格は、「リン酸カルシウム」でできている。 細胞の骨格は、「タンパク質」でできている。 細胞骨格は大きく3種類。細い方から順番に・・・ アクチンフィラメント・・・アクチン(タンパク質) 中間径フィラメント・・・ケラチンなどの繊維状タン…

【1】バクテリオファージ

“バクテリオファージ“(bacteriophage)は、バクテリア(bacteria=細菌=原核生物)に感染するウイルスで、ファージ(phage)は「食べる」の意味。例えば、食作用が旺盛で大型の白血球だと、”マクロファージ”(Macrophage)となる。 さて、バクテリオファー…